拘束された命
ブログ名の「Charmed Life」は、十代の頃に繰り返し読んだ児童書から取った。
英国の作家ダイアナ・ウィン・ジョーンズ氏の著作「魔女と暮らせば」(旧題「魔女集会通り26番地」)の原題であり、本書の物語を表す、様々な意味を含んだ掛け言葉になっている。
そのまま訳すと、魔法に掛けられた人生や命。転じて不死身の意味もあるようである。
言葉通り、命に魔法を掛けられ、人生を拘束された少年の物語が語られている。
主人公のキャットにも、その姉のグウェンドリンにも共感しながら読んだが、よくよく考えればそれは少し不思議でもあった。家庭環境は良く無かったが、特に虐待や虐めを受けたという感覚もなく育った。決定的な不幸とは無縁というか、当時特に自覚がなかった。それからずっと、自分を拘束するものの心当たりが何も無く、原因に思い至らなかった。
人目に明らかではなく、明確な根拠が炙り出せなくても、苦しみや困難は現実にあるものなのだと知った。
私を拘束していたのは発達障害だったことが、二十代後半になってやっと判明した。
書籍などで診断基準を読む限り、米国精神医学会の精神疾患診断分類書であるDSMの改定前や、世界保健機構の統計分類(ICD)での診断であればおそらくアスペルガー症候群に分類されたのではないだろうかと推測する。
そんな人間の物思いをつらつらと書いていきたいと思う。
♦︎ ♦︎ ♦︎